フランス歴代大統領のスキャンダル (恋愛に関する?) に対する
社会の反応に、フランスと日本との違いが見て取れると思う。
まず、フランソワ・ミッテラン (第21代大統領 在任1981年~1995年)
妻ダニエルとの間に三男がいて、且つ30年来の付き合いがあった
アンヌとの間に隠し子マザリーヌがいる。
遺言には”葬儀の時は棺に最も近い席に、マザリーヌとアンを座らせる”
と指示していたという。又、女性問題に関しての記者団からの質問に、
”Et alors?” (それが何?) と答えた事は有名だと聞いた。
続いて親日家としてよく知られていたのが、
ジャック・シラク (第22代大統領 在任1995年~2007年)
彼の日本文化に対する造詣はかなり深く、日本文学を愛読し日本古美術も
相当量所蔵していたとある。愛犬に「スモウ」という名前を付ける程
大相撲のファンであったことは周知の事実だ。
未だ真偽の程は定かではないが、日本人の愛人との間に隠し子がいた?
とかいう噂は私もよく耳にしていた。好きな大統領だった。
続いて親日家のシラク氏とは対照的に、日本文化に対して嫌悪感?
ともとれるような発言をしていた (この発言は多分、シラク氏の
親日家ぶりに対抗したのでは?という見方もあるが、けっこうシビアだ)
二コラ・サルコジ (第23代大統領 在任2007年~2012年)
三度の結婚 (元妻マリー、前妻セシリア、現妻カーラ) で子供が4人。
セシリアとは双方配偶者がいる中、愛を貫き結婚するも、
セシリアが他の男性と駆け落ちしたり、それでも復縁したりしたが、
結局、現職時代に離婚して、(セシリアはファーストレディーになる事を
拒絶していたらしい) シングルマザーだったカーラと3度目の結婚。
バイクに乗って愛人の女優ジュリー・ガイエのアパートに向かう写真を
撮られたフランソワ・オランド (第24代大統領 在任2012年~2017年)
パートナーで政治家のセゴレーヌ・ロワイヤルとの間に4人の子供がいるが、
その関係解消後、ジャーナリストのヴァレリー・トリールヴァイレールと
PACSを結んだ。彼女は事実婚の女性で初めてのファーストレディーとなり、
2013年に日本も訪問している。
2014年1月、ガイエとの不倫疑惑が報じられ、これにより、ヴァレリーは
オランドとの関係を解消した。(ヴァレリーはオランドとの関係を解消後、
エリゼ宮で過ごした日々を綴った暴露本を出版している)
さて最後、エマニュエル・マクロン (第25代大統領 在任2017年~)
2007年10月、マクロン29歳の時、54歳だったブリジットと結婚。
24歳の歳の差が世界的に話題となった。
ブリジットは20歳で最初の夫アンドレと結婚して3人の子供がいる。
長女で医師のローランスはマクロンと同級生だったので、マクロンの
両親は、恋の相手はてっきり娘の方だと思っていたらしい。
歴代の大統領のスキャンダルと言える内容を簡単に見てきた。
日本では確か女性問題で辞任した首相がいらしたと思うが、
それ以来公人のこの手のスキャンダルを許さなくなった日本と比べると、
フランス国民はこの点に関してはとても寛容だと思う。
フランスでは、未婚の母は珍しくないし、それが閣僚でも同じだ。
法的に保護されているという環境が整っているからなのだろうか、
”できちゃった婚”はあまり聞かない。
何をやっても良いとは決して思わないけれど、”仕事と私生活とをしっかり
分けて考える”そういう原則、有りだと思う。
※写真は、”10年前の今日”というメッセージで偶然見つけた
レストランでの一皿。ズッキーニの花もこんな風に飾ると素敵。
盛り付けのお勉強になる一皿です。
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