”スマートなビジネスマンの”トマス”と美人の妻”エバ”。
娘の”ヴェラ”と息子の”ハリー” 一家はフレンチアルプスの
高級リゾートにスキーにやって来る。
壮大な雪山に囲まれたテラスでランチを取っていた最中に
突然、雪崩が4人のいるテラスに直撃してくる。
幸い大事には至らなかったものの、その時に”トマス”がとった
行動によって、このスウェーデン一家の旅行は、思わぬ方向へ
転落していく…….”
(2014年第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門、審査員賞受賞作)
監督:リューベン・オストルンド
日本では2014年10月に開催された第27回東京国際映画祭に於いて
「ツーリスト」のタイトルで上映された後、2015年7月から
「フレンチアルプスで起きた事」のタイトルで一般公開された。
2020年にはハリウッドで「ダウンヒル」としてリメイクされた。
今現在、U-Next でも視聴可能。
さてまず初めにアドヴァイスとして(笑)この映画は、恋人、夫婦、
カップルでの視聴はお勧めしない。
映画自体の面白さ(笑う意味の面白さではなく)よりむしろ、映画を
見た人達の意見が多岐に渡っている事にとても興味を注がれる。
私も自分自身の事、家族の事、男女の事、人として、等々
とても考えさせられた。
雪崩が文字通り家族の雪崩となるのだが、きっかけは、トマスが
家族を見向きもせず、一人で逃げ出した事から始まるのだ。
ある統計によると、生物学的に男性は逃げてしまうのだそうだ。
一方で、女性は子供を守ろうとする行動をとるそうで、これは
人間に限らず、生き物全般で、子供を守るオスは少ないそうだ。
それはさておき、家族、夫婦、….私達ははたしてお互いを
よく知っているのだろうか?知っているようで知らないのでは?
見ているようで、見ていないのでは?或いは本当を見るのが怖くて、
意図的に見ないでいるのかもしれない。
肝っ玉母さんなら、「自分だけ逃げて、まったく困った親父だよ!」
ですむのかもしれない。でもエバは許せなかったのだ。
男性側の意見でこんなのもあった。
”女性が女性らしさから逃れようとする事は称賛されるのに、
男性が男性らしさから逃れる事はゆるされないという風潮がある”
”女らしくしろよ!”と言ったらブチ切れるくせに、
”男らしくないんだから”とは言われる。等々。
う~ん。ま、確かにそれもあるあるかも?
だけど私はやっぱり、”この人の本性を見た!”となった時、
怒りはもはやなく(怒りがある方がまだ愛が残っていると思う)
失望してしまって、もう元には戻れない気がする。
心が離れてしまったら、努力ではどうしようもないのではと。
さて、あなたは、肝っ玉母さん派?それともエバ派?
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