香川県の直島へ行ってきた。
島の様子や、地中美術館などについては次回にまわして、
今回は草間彌生さんについて書いてみたい。
真っ赤なウィッグに水玉模様のワンピース姿。
その強烈なイメージ。そしてカボチャの作品。
草間彌生について私が知っていたのはそれくらいだった。
正直言って、ちょっと苦手だな~という意識があった。
その苦手意識が変わる(彌生さんについてもっと知ってみたいと思う)
出来事があった。
それは今年の1月にAFP,BBNewsの記事に掲載された写真を見た事だった。
パリのシャンゼリゼ通りにあるルイヴィトンのビルの屋上から、
身を乗り出して水玉模様を描く彌生さんのリアルな巨大人形が!
ビル全体もカラフルな水玉模様に覆われていて、すごい迫力だった。
撮影スポットとして人気になっていたそうだ。
写真は計14枚有り、ショーウィンドーには、バッグを持って立つ彌生さんもいて、
此方もウインドーを覗き込む人の様子が映し出されていた。
此方がその写真。
初コラボレーションから10年を経過しての再コラボレーション。
その商品の発表に合わせて企画されたらしかった。
このイベントは同時期に、ニューヨーク5番街、ロンドン、
表参道のヴィトンでも行われたらしい。
彌生さん自身も水玉を好んで描き始めたのではないそうだ。
「“総合失調症”(存在しないものが見えたり聞こえたりする病)と闘う為に、
その手段として、わずか10歳の頃からこの水玉を描くようになった」とあった。
私も実際その絵を見たが、母親の姿の絵の画面一面に水玉が描かれていた。
病気だけでも想像を絶する苦労があっただろうに、同時に家庭にも問題があって、
毎日自殺したいと思うほど追い詰められていたのだそうだ。
それを思いとどまらせてくれたのが、絵を描いたり、物を作ったりする事だったと
雑誌で読んだ。全米で話題となった「クサマハプニング」期を経て、
16年に及ぶアメリカ生活を終え帰国する。
小説や詩も発表する多彩さを発揮しつつ、ニューヨークで行われた回顧展などを経て、
より評価が高まり、現在に至るのだ。
彌生さんの長い人生を、こんな簡単な文章にして大変申し訳なく思うのだが、
彼女の生きざまを知れば知る程、“あっぱれ!”と旗を振りたくなったのだ。
直島で買ったこのカボチャのケースの中には、金平糖がつまっていた。
赤カボチャと黄カボチャ、私これ好き!
※表紙の写真はフェリー乗り場のすぐ横にある赤カボチャ
彌生さん、季節の変わり目です。
くれぐれもご自愛ください。
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